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駐在で英語が伸びない理由|赴任前・赴任中にやるべき練習

2026年8月6日 · 潮田 豊幸(World Finance Edu)
著者:潮田 豊幸。シンガポール在住。日々の仕事はすべて英語です。Mentogram School of Finance の Program Director 兼 Founding Partner(授業はすべて英語、学位授与は Woolf)、フラクショナルCFO、エンジェル投資。ネイティブではない立場で、英語で20年以上グローバルの実務に携わってきました。米国公認会計士(USCPA)、INSEAD Global Executive MBA。 経歴・登壇の実績 ›

「海外に行けば英語は自然に伸びる」。そう思って赴任し、2年経っても会議で言いたいことが言えないまま帰任する人がいます。一方で、同じ環境で明らかに変わる人もいます。差は語学センスではなく、赴任前と赴任中の練習の設計です。

この記事では、駐在で英語が伸びない構造的な理由と、赴任前3ヶ月・赴任中それぞれで何をやるべきかを整理します。

駐在で英語が伸びない3つの理由

理由1:英語を使う量が思ったより増えない

海外赴任と聞くと「1日中英語」を想像しますが、実際の駐在員の多くは、日本本社への報告、日本人同士の打ち合わせ、日本語の資料作成に相当な時間を使います。現地スタッフとのやり取りも、メールとチャットが中心なら話す時間は驚くほど短くなります。住んでいる場所が海外でも、口を動かす時間が1日20分では、日本にいたときと大差がありません。

理由2:通じてしまうので直す機会がない

職場では、相手はあなたの立場と文脈を知っています。多少通じにくくても推測して合わせてくれます。これは仕事上ありがたいことですが、学習の観点では厄介です。誰もあなたの英語を直してくれないまま、通じにくい癖が固定されます。伸びない駐在の典型は「困っていないが、変わってもいない」状態です。

理由3:単語ではなくリズムが原因なのに、単語を増やそうとする

聞き返されるとき、多くの人は語彙不足を疑って単語帳に戻ります。しかし現場で通じにくさを生む最大の要因は、強弱の差が小さい平坦な話し方です。日本語はすべての音をほぼ同じ長さで並べる言語で、その癖のまま英語を話すと、相手はどこが重要な情報なのか判断できません。単語を増やしても、この土台が変わらなければ通じ方は変わりません。詳しくは英語の抑揚の付け方で整理しています。

赴任前3ヶ月にやるべきこと

赴任前は、時間が取れる最後の期間です。ここでやることを絞ります。

時期やること1日の目安
3ヶ月前強弱リズムの習得。内容語を強く、機能語を弱く読む練習15分
2ヶ月前シャドーイングで手本のリズムを再現。録音して比較15分
1ヶ月前自己紹介と担当業務の説明を、話し言葉で言い切れるようにする10分

文法書や単語帳を最初に開かないでください。赴任前の3ヶ月で最も投資対効果が高いのは、リズムと話し方です。理由は単純で、赴任後は忙しくて基礎練習の時間が取れなくなるからです。語彙は現場で必要になった順に増えますが、リズムの癖は現場では自動的に直りません。練習の設計はビジネス英語の独学勉強法も参考になります。

赴任前に準備しておくと効く3つの型
・自己紹介: 名前 / 役割 / 何を任されているか の3文
・聞き返し: Sorry, could you say that again more slowly? を反射で言えるように
・確認: So, if I understand correctly, ... で理解を言い直す

赴任中にやるべき「意図的な」練習

赴任中は環境に任せず、意図的に負荷をかけます。おすすめは次の4つです。

  1. 話す時間を数える:1日に自分が英語を話した時間を大まかに記録します。20分しかないと分かれば、増やす行動が具体的になります。
  2. 会議で最初の5分以内に一度発言する:沈黙が続くほど発言のハードルは上がります。質問でも同意でも構わないので、早い段階で声を出す習慣をつけます。英語会議のフレーズを型として持っておくと楽になります。
  3. 自分の英語を録音する:オンライン会議の自分の発言部分を聞き直します。平坦になっている箇所、語尾が消えている箇所がすぐ分かります。これが赴任中に手に入る最良の教材です。
  4. 週2回、10分のリズム練習を残す:忙しくても、強く読む語に印をつけて音読する練習だけは続けます。実務量が増えるほど、この基礎が効きます。

伸びる駐在員と伸びない駐在員の違い

伸びない人伸びる人
目標ネイティブのように話す意図が正確に伝わる、自信が伝わる
練習対象単語と文法リズム・強弱・話し方
環境の使い方環境が育ててくれると考える録音と発言量で自分に負荷をかける
失敗の扱い間違いを恐れて黙る通じなかった場面をメモして直す

目指すのはネイティブ発音の模倣ではありません。非ネイティブとして、伝わる英語と信頼される印象を持って帰任することです。なまりがあっても、強弱がはっきりしていて文末を言い切る人は、現場で確実に評価されます。外資系や多国籍環境での立ち回りについては外資系で英語がつらいあなたへも合わせてどうぞ。

まとめ

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潮田豊幸
潮田 豊幸(Toyoyuki Ushioda)
World Finance Edu 代表(シンガポール)。
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