コース紹介グローバルに活躍する日本人になるための英語力向上コラム › 決算説明会の英語

決算説明会(Earnings Call)の英語|頻出表現と聞き取りのコツ

2026年9月4日 · 潮田 豊幸(World Finance Edu)
著者:潮田 豊幸。シンガポール在住。日々の仕事はすべて英語です。Mentogram School of Finance の Program Director 兼 Founding Partner(授業はすべて英語、学位授与は Woolf)、フラクショナルCFO、エンジェル投資。ネイティブではない立場で、英語で20年以上グローバルの実務に携わってきました。米国公認会計士(USCPA)、INSEAD Global Executive MBA。 経歴・登壇の実績 ›

投資先や競合、あるいは自社の親会社の決算説明会(earnings call)を英語で聞かないといけない。書き起こしを後から読めば内容は分かるのに、リアルタイムで聞くと速すぎてついていけない。guidance、headwinds、beat といった単語が飛び交って、どこが良くてどこが悪いのかを掴む前に次の話題に移ってしまう。こういう場面で止まってしまう方は多いと思います。

これは英語力というより、決算説明会の「型」を知らないことが原因です。earnings call は自由な会話ではなく、順番も言い回しもかなり決まっています。型が頭に入っていれば、次に何が来るか予測しながら聞けるので、体感の速度は一気に下がります。

なぜ決算説明会の英語は聞き取りにくいのか

理由は3つあります。1つ目は速度です。プレゼンター(多くは最高財務責任者、CFO、Chief Financial Officer)は原稿を読み上げるので、通常の会話より速く、区切りも少なくなります。2つ目は数字の密度です。million や billion、パーセント、前年同期比(year over year、YoY)が連続して出てきます。3つ目が決算特有の言い回しです。日常英語には出てこない beat や guidance のような語が、意味を知らないと素通りしてしまいます。

逆に言えば、この3つはどれも準備で潰せます。数字の聞き取りそのものに不安がある方は、先にmillion・billionの変換と決算数値の言い方で耳を慣らしておくと、この記事の内容がそのまま活きます。

earnings call の決まった流れを知る

ほとんどの決算説明会は、次の順番で進みます。この地図を頭に入れておくだけで、今どのパートを聞いているかが分かり、迷子になりません。

順番パート合図になる表現
1司会の前置き・免責事項forward-looking statements, safe harbor
2経営陣の説明(prepared remarks)Thanks, and good morning everyone.
3財務の詳細(CFOパート)Let me walk you through the numbers.
4質疑応答(Q&A、Questions and Answers)We'll now open the line for questions.

大事なのは、聞き取りの労力を全体に均等に配らないことです。最初の免責事項は毎回ほぼ同じ定型文なので、聞き流して構いません。力を入れるべきは3番目の財務パートと、4番目の質疑応答です。ここに情報が集中しています。

決算特有の頻出表現を先に覚える

earnings call で繰り返し出てくる語は限られています。数十語を先に押さえるだけで、聞き取りの体感は大きく変わります。まずは業績が予想を超えたか下回ったかを表す語と、増減の方向を表す語です。

英語意味
beat / miss expectations市場予想を上回る / 下回る
guidance業績予想(会社が示す見通し)
raise / cut guidance予想を上方修正 / 下方修正する
headwinds / tailwinds逆風(マイナス要因) / 追い風(プラス要因)
top line / bottom line売上高 / 最終利益
sequentially前四半期比で
EPS(earnings per share)一株当たり利益
実際の一文の例:
"We beat on the top line, but margins faced headwinds from higher costs, so we're keeping our full-year guidance unchanged."
→ 売上は予想を上回ったが、利益率はコスト増の逆風を受けたので、通期の業績予想は据え置く。

この一文が聞き取れれば、決算の良し悪しの骨格はほぼ掴めます。単語を1つずつ拾うのではなく、beat・headwinds・guidance という「効く語」だけを追い、その周りの数字を足していく聞き方が実務では速いです。

数字と質疑応答をどう追うか

CFOパートでは数字が連続します。全部を書き取ろうとすると必ず遅れます。私が意識しているのは、数字そのものより「数字に添えられた理由」を追うことです。決算説明会では、数字のあとに driven by(〜が牽引)や due to(〜が原因)といった理由の接続語がほぼ必ず来ます。この接続語を合図に「何が良かった・悪かったのか」だけ拾えば、細かい桁を聞き逃しても大意は外しません。数字を英語で読む前提として、英文財務諸表の読み方で勘定科目の並び順を押さえておくと、どの数字がどこの話か即座に結びつきます。

質疑応答は原稿がないぶん速く感じますが、聞くべきは質問そのものより「アナリストが何を心配しているか」です。多くの質問は margin(利益率)、guidance、需要の3つに集中します。論点が3つしかないと分かっていれば、質問の全文が聞き取れなくてもテーマは絞れます。相手の英語が速すぎて追えないと感じる根本原因の切り分けは、単語は知っているのに英語が聞き取れないにまとめています。

準備と練習のコツ

  1. 書き起こしで型に慣れる:海外上場企業の決算説明会の書き起こしは公開されています。上の流れと頻出表現が毎回繰り返されるのが目で確認できます。
  2. 音声を書き起こしと突き合わせる:一度読んだ書き起こしの音声を聞くと、速くても内容が予測できるので聞き取れます。予測が聞き取りを助けるという体験を作るのが目的です。
  3. 効く語だけ先に耳に入れる:beat・guidance・headwinds など20語ほどを声に出して覚え、音と意味を直結させておきます。
  4. 話す側も想定して聞く:自分が説明する立場を意識すると、聞くべき勘所が自然と分かります。話す側の型はIR英語の話し方で整理しています。

まとめ

決算の英語は、財務諸表という土台の上に乗っています。数字の勘定科目そのものが不安な方は、英文財務諸表の読み方から先に固めると、earnings call の聞き取りが一段楽になります。

英語で「評価される」ためのオンラインコース

Udemyコース「グローバルなビジネス環境で正しく評価されるための英語戦略」。決算や会議のように、内容が正しくても伝え方で損をする場面を、発音・リズム・自分らしさの3要素で立て直します。講師はINSEAD MBA修了、シンガポール在住で日々の仕事はすべて英語。30日間返金保証つき。

Udemyでコースを見る
上のリンクは期間限定クーポン適用済みです(2026/9/15まで)

関連記事

潮田豊幸
潮田 豊幸(Toyoyuki Ushioda)
World Finance Edu 代表(シンガポール)。
X(旧Twitter) · note · LinkedIn · Substack