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英語の電話対応フレーズ|聞き取れない音声通話を乗り切る型

2026年8月9日 · 潮田 豊幸(World Finance Edu)
著者:潮田 豊幸。シンガポール在住。日々の仕事はすべて英語です。Mentogram School of Finance の Program Director 兼 Founding Partner(授業はすべて英語、学位授与は Woolf)、フラクショナルCFO、エンジェル投資。ネイティブではない立場で、英語で20年以上グローバルの実務に携わってきました。米国公認会計士(USCPA)、INSEAD Global Executive MBA。 経歴・登壇の実績 ›

最初に、正直なところを書いておきます。電話は減りました。一日に何本も電話を取る職場は少なくなり、連絡の大半はチャットとメールに移り、会議はTeamsやZoomになりました。「今どき電話の英語を練習する意味があるのか」という感覚は、まっとうだと思います。

それでも、この記事を書く理由があります。減ったのは電話機を使う回数であって、音声だけで英語を処理する場面ではないからです。

音声だけの英語は、今もここにある
・オンライン会議で全員がカメラを切っているとき
・移動中の参加者がスマートフォンからダイヤルインしてくるとき
・回線が悪く、映像が止まって音声だけになったとき
・採用エージェント、銀行、監査法人、取引先からの一次連絡

これらは条件としては電話とまったく同じです。そして、やっかいなことがひとつあります。頻度が減った分、慣れる機会も減りました。毎日電話を取っていた時代の人は、嫌でも耳が鍛えられました。今は月に数回の音声通話で、いきなり本番を迎えます。だから難易度は下がっていません。むしろ上がっている人のほうが多いはずです。

対面の会議では英語で問題なく話せるのに、音声だけになった途端に何も聞き取れなくなる。名前を聞き取れないまま会話が進んで、最後まで相手が誰か分からなかった。これは英語力が落ちたわけではなく、条件が変わっただけです。条件が違うなら、対策も違います。

以下、受ける・かける・聞き返す・締めるという4つの型を紹介します。電話の話として読んでも、カメラオフの通話の話として読んでも、そのまま使えます。

なぜ音声だけになると極端に難しいのか

難しさの理由は3つあります。どれも語彙や文法の問題ではありません。

要因何が起きているか
映像がない口の動き、表情、資料、ジェスチャー。対面で無意識に使っていた手がかりが全部なくなる
音質が悪い電話も通話アプリも、高音と低音を削って圧縮している。sやth、語尾の子音が特に消えやすい
文脈がないいきなり本題。今日は何の話かを予測できないまま最初の10秒が過ぎる

つまり、音声だけの通話では音のリズムだけが頼りになります。対面なら映像で補えていた分を、耳だけで処理しなければならない。だから、通話に強くなる練習は結局リズムの練習になります。この点は後半で扱います。

型1:電話を受ける

受ける側の目的はひとつです。最初の15秒で「誰が」「何の件で」を確定させること。ここさえ押さえれば、あとは推測が効きます。

場面フレーズ
出るHello, this is Toyo speaking.
相手を確認May I ask who's calling, please?
用件を確認How can I help you today?
担当ではないときLet me put you through to the right person.
不在を伝えるShe's not available right now. Can I take a message?
折り返すI'll have her call you back this afternoon.

相手の名前が聞き取れなかったときは、その場で処理してしまいます。会話が進んでからでは聞きにくくなる一方です。Sorry, could you spell your name for me? は失礼ではなく、むしろ丁寧な確認として受け取られます。

型2:自分からかける

かける側は準備ができる分、圧倒的に有利です。最初の3文を声に出して用意してから番号を押してください。

かけ出しの3文の型
1. 名乗る: Hi, this is Toyo Ushioda from World Finance Edu.
2. 用件を1文で: I'm calling about the invoice we sent last week.
3. 時間を確認: Do you have a couple of minutes?

この3文があるだけで、相手はこちらの声と話題に耳を合わせてくれます。逆に用件を後回しにすると、相手は最後まで探りながら聞くことになり、会話全体が重くなります。用件先出しは英語の自己紹介と同じ考え方で、結論から言うほど相手は楽になります。

留守番電話につながったときも同じ型です。名前、用件、電話番号、そして番号はゆっくり2回。番号を1回しか言わない留守電は、折り返しをもらえません。

型3:聞き返す

音声だけの通話で最も使う技術がこれです。日本人はSorry?やPardon?を繰り返しがちですが、これには弱点があります。相手はまた同じ速さで同じことを言うだけだからです。どこが分からなかったかを具体的に伝えると、相手は言い換えてくれます。

目的フレーズ
全部分からないSorry, the line isn't very clear. Could you say that again?
速すぎるCould you slow down a little, please?
一部だけ確認Sorry, after the delivery date, I didn't catch the last part.
数字を確認Let me repeat that back. Two, five, zero, zero. Is that right?
名前を確認Could you spell that for me?
理解を確認So, if I understand correctly, you need it by Friday.

最後のSo, if I understand correctly は電話の万能薬です。自分の理解を要約して返せば、間違っていれば相手が直してくれます。聞き取れた断片からの推測を、安全に検証できる方法だと考えてください。聞き取れない原因の分解と合わせると、その場で何をすべきかが判断しやすくなります。

型4:締める

電話は終わり方で印象が決まります。決まったことを声に出して確認してから切ると、相手にも記録が残り、こちらの信頼にもつながります。

締めの3文の型
1. 確認: So, we'll send the revised numbers by Thursday.
2. 次の一手: I'll follow up by email with the details.
3. 締め: Thanks for your time. Have a good day.

電話のあとに要点をメールで送るのは、英語圏でもごく普通の作法です。聞き取りに不安が残った場合ほど有効で、認識のずれがあればメールの返信で必ず表に出ます。

音声通話に強くなる練習

対策として単語を増やす人がいますが、優先順位が違います。通話で消えているのは意味ではなくです。だから練習の中心はリズムと強弱に置きます。

  1. 音声だけで練習する:動画ではなく音声のみの素材を使います。ポッドキャストやニュース音声を、画面を見ずに聞く。これだけで通話に近い条件になります。実務で音声だけの機会が減った今、この練習の価値は昔より上がっています。
  2. 強く読む語だけを追う:全部を聞こうとすると崩れます。内容語(名詞・動詞・数字・日付)だけを拾い、機能語は捨てる。電話ではこの取捨選択が生死を分けます。
  3. 弱形と音の連結に慣れる:電話で消えるのはたいてい機能語です。弱形音の連結を知っていれば、消えた音を脳が補完できます。
  4. 自分の声を録音する:条件が悪いのは相手も同じです。自分の英語を録音し、通話越しに聞くつもりで再生すると、どこが埋もれるかが分かります。語尾が弱い人、声量が小さい人は音声だけの場面で特に損をします。
  5. 数字とアルファベットを口慣らしする:金額、日付、注文番号。通話のミスはほぼここで起きます。声に出して読む練習を短時間でも習慣にしてください。

目指すのはネイティブのように話すことではありません。音声だけの環境で伝わる英語にすることです。ゆっくり、はっきり、区切って話す非ネイティブの英語は、通話ではむしろ歓迎されます。

まとめ

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潮田豊幸
潮田 豊幸(Toyoyuki Ushioda)
World Finance Edu 代表(シンガポール)。
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